多重債務者と債務整理

バブルが崩壊し、長引く景気の低迷から、リストラ、倒産などで収入が減り、生活苦から、20%を超える非常に高い金利で、消費者金融(サラリーマン金融、いわゆるサラ金)から、借金をする人が増えています。借金をすることは悪いことではないですが、返済しなければならないわけですから、自分の返済能力に応じた借金をしなければならないはずです。しかし、消費者金融の金利が高いため、いずれ返済が滞るようになり、その借金を返済するために、さらに高い金利の新たな借金をせざるを得なくなります。こうなると借金が雪だるま式に増えていきます。
また、最近は、借金の返済に困っている人を対象に、借金を低利で一本化しませんかと言った広告やダイレクトメールを使って、債務整理と称して他社を紹介したり、提携の司法書士や弁護士を紹介し、高い手数料をとる整理屋や、パソコンなどの高額な商品を、クレジットカードで購入させて、3~4割で買い取る買取屋、さらには、10日で1割などの高金利で貸し付けるヤミ金融などが横行し、その被害が増えています。
こうした状況になる前に、できるだけ早い時期に、信頼できる司法書士や弁護士に相談し、適切な債務整理(借金の整理)をすべきです。司法書士や弁護士が債務整理の依頼を受け、その旨を消費者金融に連絡すると、借金をした人は、消費者金融から直接取り立てを受けることがなくなります。つまり、借金の返済に追われることがなくなるのです。司法書士や弁護士は、払い過ぎている借金の返還や減額を消費者金融に請求したり、借金をした人の収入等から、無理のない返済計画案をたて、消費者金融と交渉してくれます。また、場合によっては、個人再生や自己破産などの裁判上の手続を利用し、多額の借金をしてしまい、どうしても払いきれない人のために、借金を減額又はゼロにすることも可能です。
債務整理は恥ずかしいことではありません。勇気を出して、信頼できる司法書士や弁護士に相談し、借金を整理するための第一歩を踏み出しましょう。
なお、多重債務者の発生・増大を防ぐためには、貸金業規制法等が改正されて、
①上限金利の引下げ(グレーゾーン・みなし弁済規定の廃止)
②過剰貸付けの抑制
③参入規制の強化など貸金業者に対する規制の強化
④ヤミ金融への厳罰化
が規定されました。

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