成年後見

ボケたらどうする?そうした不安に対応するため、2000年4月に介護保険制度と併せて、成年後見制度が施行されました。成年後見制度は、急増する高齢者への対応や知的障害者・精神障害者等の福祉を充実させるという観点から、自己決定の尊重(自分の思いの実現)、残存能力の尊重・活用、ノーマライゼーション(社会的な弱者が一般社会で等しく普通に生活できる社会の実現)の新しい理念と従来からの本人の保護の理念との調和を図るという理念的要請と、判断能力の不十分な高齢者や障害者にとって利用しやすい柔軟かつ弾力的な制度を設計するという実務的要請から制定された制度です。

成年後見制度を利用して解決できる主な具体例は次のとおりです。

(1)認知症の妻と二人暮らしで子供もいない。自分が死んだ後、残された妻の面倒や財産管理は誰がしてくれるのだろう?

(2)1人暮らしの高齢の母親が、床下や雨漏りの修理と称して高額なクレジット契約をさせられたり、不必要な羽毛布団や着物、健康食品などを買わされ、悪質商法の餌食になっているようだ。どうすればいいか?

(3)脳梗塞で倒れて入院中の母親の預金を長男が無断で使用しているようだ。このままでは母親の老後の生活費がなくなってしまう。どうすればいいか?

(4) 認知症の夫の介護費用に充てるため、夫名義の預貯金を下ろしたいが、夫の面倒を見ている妻であればそれができるのだろうか?

(5) 知的障害を持つ子供がいるが、自分がどんどん年をとって体力がなくなってくると、その子の将来が心配で仕方がない。どうすればいいか?

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