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債務整理
バブル崩壊後の景気の後退、企業の終身雇用と年功序列賃金制度の崩壊、それに伴うリストラや、リーマンショックに象徴されるサブプライム問題を含む世界的金融システムの混乱等の昨今の経済情勢から、賃金が著しく低下し、生活苦から多重債務者が増加しています。特に高利の消費者金融からの借り入れについては、元本は勿論のこと、利息すらも払えずに、その返済のために更に高利の消費者金融(ヤミ金業者等)から借り入れをし、生活ができず、また厳しい取立てから死を選択せざるを得ない状況も出てきています。
こうした多重債務者の発生・増大を防ぐために、貸金業法が改正され、①上限金利の引下げ(グレーゾーン・みなし弁済規定の廃止)、②過剰貸付けの抑制、③参入規制の強化など貸金業者に対する規制の強化、④ヤミ金融への厳罰化をそれぞれ機動的に実行するための規定が設けられましたが、このような状況が改善されるまでにはしばらく時間がかかりそうです。
そうしたなかで、司法書士等の専門家の果たす役割は重要になります。
司法書士が多重債務者から債務整理の依頼を受け、その受任通知が消費者金融(貸金業者)に届くと、その後は直接、多重債務者本人に対して、その消費者金融からの取り立てや催促等の請求は禁止されます。
これらが禁止されることによって、毎月の支払いに追われ仕事も手に付かず不安な気持ちで過ごしていた日々から解放されます。
そうした中で、家計の状況を冷静に見直し、司法書士とともに生活再建のための各種法的手続きを進めることになります。
多重債務者から債務整理を依頼された司法書士は、上記の受任通知と併せて、債務者本人と消費者金融との間の、既に返済済みのものも含めた過去からの取引経過を記載した取引履歴全てを開示するように求めます。司法書士は、それに基いて、利息制限法を越える金利の支払については、これを借入金(元本)に組み入れ、こうして圧縮された借入金について、裁判所を通さずに、遅延損害金や将来利息をカットした上で、3年~5年の分割返済の交渉をします。これを任意整理または任意和解と言います。こうした手続を裁判所を通して行う場合は、特定調停を利用します。
多重債務者が、給料等の安定した収入がある場合で多額の借金を抱えている場合は、裁判所を通して行う個人の民事再生手続があります。これは多重債務者の資産内容によっても異なりますが、借入金(元本)等を約5分の1にして、3年間にわたって分割返済する方法です。
任意整理や特定調停、個人の民事再生手続でも返済が困難な場合は、裁判所を通して行う自己破産の手続をすることになります。