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贈与
不動産を個人から個人へ贈与する場合、譲り受ける人(この人を受贈者と言います。)に贈与税や不動産取得税、登録免許税がかかります。
ただし、不動産が居住用で、譲り受ける人が配偶者や子供である場合は一定の条件が必要ですが、これらの税金が安くなったり、かからなかったりする場合があります。これら税金のことについては、最寄りの税務署や市区町村役場の資産税課(都内23区内の場合は都税事務所)などで相談の上、贈与による不動産の名義書換えの手続をするようにしましょう。なお、譲り渡す人(この人を贈与者と言います。)には税金はかかりません。
1 両親や知人から不動産の贈与を受けたいと考えている方
両親や知人から不動産の贈与を受ける場合は、契約書の内容や税金のことが気になるものです。
贈与税は一人の人が個人から1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対して、税率を乗じて税額を計算します。具体的には次の贈与税速算表に基づいて算出します。この贈与税速算表(特例税率)は、父母や祖父母などの直系尊属から20歳以上の子や孫などの直系卑属への贈与の場合です。
贈与税速算表(特例税率)
課税価格(非課税枠110万円超過分) | 贈与税額の速算式 |
~ 200万円以下 | ×10% |
~ 400万円以下 | ×15%- 10万円 |
~ 600万円以下 | ×20%- 30万円 |
~ 1,000万円以下 | ×30%- 90万円 |
~ 1,500万円以下 | ×40%- 190万円 |
~ 3,000万円以下 | ×45%- 265万円 |
~ 4,500万円以下 | ×50%- 415万円 |
4,500万円超~ | ×55%- 640万円 |
2 住宅ローンの肩代わりをすることで、それに見合った不動産の贈与を受けたいと考えている方(負担付贈与)
住宅ローンの肩代わりをすることで、それに見合った不動産の贈与を受ける場合、契約書の内容や税金のことが気になるものです。
負担付贈与とは、受贈者(贈与によって財産を譲り受ける人)に一定の債務(住宅ローン等)を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます。個人から負担付贈与を受けた場合は、贈与財産の価額(贈与された財産が土地、借地権などである場合や、家屋、構築物などである場合には、その贈与の時における通常の取引価額に相当する金額、つまり時価になります。相続税路線価や固定資産課税台帳登録価格ではありません。)から負担額を控除した価額に、贈与税が課税されることになります。詳細は、国税庁のタックスアンサーの下記ホームページを参照してください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
3 税金のことを知りたい方
贈与税は一人の人が個人から1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
贈与税の特例として、夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度や相続時精算課税制度などがあります。詳細は、国税庁のタックスアンサーの下記ホームページを参照してください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
4 贈与による不動産の名義書換え(登記)に必要な書類を知りたい方
不動産の名義書換え(登記)に必要な書類は次のとおりです。
①贈与をする方の住民票、印鑑証明書(発行日から3か月以内のもの)、贈与する不動産(土地・建物)の固定資産評価証明書、権利証(又は登記識別情報)
②贈与を受ける方の住民票
※当事務所に登記をご依頼いただける場合、それぞれの方々のご実印(贈与を受ける方は認印でも可能です)と、運転免許証、パスポート等の本人確認書類が必要になります。
※案件によってはこれらの書類とは別にご用意していただく場合があります。
5 自分が生きている間ではなく死んだ後で、不動産を贈与したいと考えている方(死因贈与)
自分が死んだ後で、不動産を子や孫に贈与したいといった場合、二つの方法があります。一つは遺言書を書いて、子や孫に相続又は遺贈する方法と、もう一つは、贈与をする自分と贈与を受ける子や孫との間で、生前に贈与契約をする方法です。これを死因贈与といいます。いずれも、その効果は、贈与する方の死亡時に発生します。ただし、死因贈与は契約なので、遺言で残す場合と比較すると次のような主なメリットとデメリットがあります。
メリット
・遺言と異なり厳格な要式行為でない。
・死因贈与は契約であることから、代理人を立てることができる。
・不動産について、遺言(遺贈)と異なり、贈与による名義変更(所有権移転)を確実にするための仮登記ができる(始期付所有権移転仮登記)。
・不動産について、遺言(遺贈)と同様に、贈与による名義変更(所有権移転)を確実にするための執行者を指定することができる。
デメリット
・登録免許税の税率が、相続より高い。
・不動産取得税が課税される。
6 贈与による不動産の名義書換え(登記)にかかる費用を知りたい方
贈与による不動産の名義書換え(登記)にかかる費用は、司法書士の報酬と登録免許税等の実費になります。司法書士の報酬は、66,000円(消費税込)※~です。お見積りが必要な場合は、贈与を受ける不動産(土地・建物)の固定資産評価証明書又は固定資産税等の納税通知書に添付してある課税明細書等の写しを、FAX(03-5537-0187)又はメールで送付ください。お見積りは無料です。
※66,000円(消費税込)は、贈与を受けるマンション(建物とその敷地)の固定資産評価(時価ではありません)が2,000万円以内、建物の敷地が1筆で、贈与を受けるマンションの所在場所が都内23区内の場合です。
離婚による財産分与
離婚した夫婦間で、不動産などの夫婦間の財産を、婚姻期間中の財産形成の貢献度に応じた精算を目的に、一方から他方に名義書換えをすることがあります。これを財産分与といいます。
厳密には慰謝料とは別ですが、慰謝料を含めて財産分与という場合もあります。不動産について財産分与を行うときは、その名義書換えのための登記が必要になります。この場合、財産分与で不動産を譲り受けた人は、贈与税はかかりませんが、不動産取得税と不動産の名義書換えの登記をする際の登録免許税がかかります。
ただし、不動産取得税についてはかからない場合もありますので、最寄りの市区町村役場の資産税課(都内23区内の場合は都税事務所)などで相談してください。また、財産分与で不動産を譲り渡す人には、不動産をその人が買ったときの価格より財産分与時のその不動産の時価が高い場合は、譲渡所得税がかかる場合がありますので、これも最寄りの税務署等で相談の上、財産分与の手続をするようにしましょう。