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売買
土地、建物、マンションなどの不動産を買った場合、買った人は、法務局(登記所)の登記簿に自分の名前を登録する必要があります。 これを登記と言います。
なぜ登記が必要なのでしょうか。 例えば、Aさんがあるマンションを購入したとしましょう。その購入したマンションを、その売主がBさんにも売っていたとしたらどうなるのでしょう(これを二重譲渡と言います)。 当然AさんはBさんとマンションの持ち主が誰かについて争うことになります(これを所有権を巡って争うと言います)。
しかしAさんがこのマンションを買ったことを売主でないBさん(この場合のBさんのことを第三者と言います。)に認めさせるためには、そのマンションの登記簿にAさんの名前(名義書換え)の登記がなければなりません。もしBさんが先にBさんの名前(名義書換え)の登記をしていた場合、Aさんは、たとえそのマンションをBさんより先に買っていたとしても、Bさんが持ち主だとされてしまい、Aさんはそのマンションを手放さなければならなくなります。つまり、登記は同じ不動産について、所有権等の権利が誰にあるかで争いになった場合の決着方法といえるのです。
したがって出来るだけ早く登記をする必要があります。また登記にはこのような意味がありますので、間違えは許されません。そこで、専門家である司法書士に任せることがとても大事になります。なお、登記を先にされたとしても、事情によっては、所有権等の権利を失わずにすむ場合もあります。
1 両親や兄弟等の親族から不動産を買いたいと考えている方
両親や兄弟等の親族から不動産を買う場合は、契約書の内容や税金のことが気になるものです。特に契約書の内容で一番大事になるのが売買代金をいくらにするかということです。税務上のこともあり慎重に検討する必要があります。
一般の土地取引での目安としては、公示価格があります。公示価格は、国土交通省が毎年3月下旬頃に公表している、全国の都市計画区域内の標準的な土地の、毎年1月1日時点の価格のことです。また、公示価格は、公的評価の一元化の観点から、相続税路線価や固定資産課税台帳登録価格の算出の目安になっています。なお、平成3年1月25日付総合土地政策推進要綱(閣議決定)に基づき、相続税路線価を公示価格の80%とし、固定資産課税台帳登録価格を公示価格の70%としています。
建物の価格を知る上での一つの目安は、その建物の経済的耐用年数と残存耐用年数、築年数(経過年数)です。建物の価格は、建物の再調達原価(今、仮に再建築したとしたらいくらくらいで建てることができるかを表した価格)に経済的耐用年数に対する残存耐用年数の割合を乗じて、さらにその建物の維持管理の状況等による傷み具合等を観て算定します。
なお、木造一戸建て住宅の経済的残存耐用年数は、その維持管理の状況にもよりますが、約25~30年といわれています。その場合でも築年数が20年以上になると建物の価格(価値)はゼロになるといわれていますし、場合によっては、築年数が10年程度の建物でも、建物の価格(価値)がほぼゼロとなるものもあります。
また、購入する建物について、その建物を売主が買ったとき又は建てたときの価格や請負代金も、建物の価格を知る上での一つの目安になります。ただし、建物は土地と異なり時間の経過で物理的に老朽化し、機能的に陳腐化し、また経済的な利用効率が下がりますので、それに応じた減価修正(減価償却)をする必要があります。
特に親族間の売買における売買代金について、相場より安い場合は、贈与税の問題が発生する場合がありますので注意する必要があります。
2 住宅ローンを借りて不動産を買いたいと考えている方
住宅ローンを借りて不動産を買う場合は、契約書に、住宅ローンを借りられなかった場合に備えて、必ず次のような違約金の発生しない、ローン条項を入れる必要があります。また、その際、融資先金融機関、金利・借入期間等の融資条件を明確にする必要があります。
例 買主は第○条の残金のうち金○○○○万円の支払いについては、○○銀行○○支店より融資を受けて支払うものとする。但し、買主が借入の申込みをし、買主の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず平成○○年○○月○○日までに融資が決定されなかった場合、この契約を解除することができる。この場合、売主は買主から受領した手付金その他の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。また、この場合第○○条(違約金の条項)は適用しない。
3 不動産業者から不動産を買いたいと考えている方
売主である不動産業者は、消費者保護の考え方から法律上のさまざまな規制を受けます。また、不動産業者は、買主が契約するか、しないかの判断材料として、契約する前に、買う不動産のことや契約内容を理解するための重要事項の説明をすることが法律上義務付けられています。契約する前には、必ず売買契約書や重要事項説明書をもらって目を通しておき、分からないことがあれば不動産業者に確認することが大事になります。
不動産の名義書換え(移転登記)は、通常、売買代金全額を不動産業者に支払ったときに、売主である不動産業者からそのために必要な書類を受け取ることによって行えます。その受け取った書類に不備はないか、確実に名義書換え(移転登記)ができるかを確認して、その手続をするのが司法書士の役割です。
名義書換え(移転登記)は、ご自身が、買った不動産の持ち主(所有者)であることを誰に対しても言えるようにするための大事な手続です(売買代金全額を払っても、名義書換え(移転登記)の手続をしなければ、誰からも文句を言われない完全な持ち主(所有者)にはなれません)。従って、面識のない、不動産業者の指定する司法書士を安易に利用するなど、不動産業者に任せきりにするのではなく、できるだけ、契約段階から法的なアドバイスしてくれる司法書士を選んで、その司法書士に、できるだけ早く手続をしてもらうことが必要になります。
もし手続が遅くなり、不動産業者に税金の滞納や倒産、または二重譲渡(不動産業者の名義のままであることをいいことに、売った不動産をまた他人に売ってしまうこと)などのトラブルが起きた場合、名義書換え(登記)ができなくなる場合があります。
4 税金のことを知りたい方
土地や建物を売ったときの譲渡所得に対する税金は、土地や建物を売った金額から取得費、譲渡費用を差し引いて計算します。詳細は、国税庁のタックスアンサーの下記ホームページを参照してください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
5 売買による不動産の名義書換え(登記)に必要な書類を知りたい方
売買による不動産の名義書換え(登記)に必要な書類は次のとおりです。
①売主の方の住民票、印鑑証明書(発行日から3か月以内)、売買する不動産(土地・建物)の固定資産評価証明書、権利証(又は登記識別情報)
②買主の方の住民票
※当事務所に登記をご依頼いただける場合、それぞれの方々のご実印(買主の方は認印でも可能です)と、運転免許証、パスポート等の本人確認書類が必要になります。
※案件によってはこれらの書類とは別にご用意していただく場合があります。
6 売買による不動産の名義書換え(移転登記)にかかる費用を知りたい方
売買による不動産の名義書換え(移転登記)にかかる費用は、司法書士の報酬と登録免許税等の実費になります。司法書士の報酬は、77,000円(消費税込)※~です。お見積りが必要な場合は、売買契約書の写しと、購入する不動産(土地・建物)の固定資産評価証明書又は固定資産税等の納税通知書に添付してある課税明細書等の写しを、FAX(03-5537-0187)又はメールで送付ください。また、ご融資を受ける場合は、ご融資金額もお知らせください。お見積りは無料です。
※77,000円(消費税込)は、購入するマンション(建物とその敷地)の固定資産評価(売買代金ではありません)が2,000万円以内、建物の敷地が1筆で、購入するマンションの所在場所が都内23区内の場合です。